フランス南部の港町マルセイユを代表する料理、ブイヤベース。その名の由来は、フランス語で「漁師の鍋」を意味する “bouillabaisse” からきています。かつては漁師たちが、獲れたての魚介類をシンプルなスープにして食べていたことから始まったと言われています。
ブイヤベースの魅力はなんといっても、新鮮な魚介の旨味が凝縮された濃厚な味わい。マルセイユでは伝統的に、サヨリ、カジキ、ムール貝など様々な種類の魚介を組み合わせ、野菜とともにじっくりと煮込んで作られます。
伝統的なブイヤベースの作り方
ブイヤベース作りは、時間と手間がかかるため、家庭で作るのはなかなか難しいかもしれません。しかし、その工程を知れば、ブイヤベースの奥深さをより理解することができます。
- 魚介の準備: マルセイユでは、ブイヤベースに使う魚介は厳格な基準があります。新鮮で肉質のしっかりとした魚を選び、骨を取り除いてぶつ切りにします。
- 野菜のカット: 玉ねぎ、ニンジン、セロリ、トマトなどの野菜を粗みじん切りにします。これらの野菜はブイヤベースのベースとなるスープに深い味わいを加えます。
- 「ル・フュメ」の添加: ブイヤベースには、「ル・フュメ(Le fumet)」と呼ばれる魚介の旨味を抽出した出汁が欠かせません。魚の骨や頭などを水で煮込んで作るこの出汁は、ブイヤベースの味わいを決定づける重要な要素です。
- 魚介と野菜を煮込む: ル・フュメに魚介と野菜を加え、弱火でじっくりと煮込みます。煮込む時間は約30分~1時間程度で、魚介がしっかりと火を通れば完成です。
- ルーイ(rouille)をつけていただく: ブイヤベースには、「ルーイ(rouille)」と呼ばれる、パン粉、ニンニク、オリーブオイルなどを混ぜ合わせた赤いペーストを添えていただきます。このルーイは、ブイヤベースの濃厚な味わいをさらに引き立ててくれます。
ブイヤベースの楽しみ方
ブイヤベースは、そのまま器に盛り付けていただくほか、バゲットと一緒に楽しむのもおすすめです。魚介から染み出したスープをたっぷり絡めて食べることで、その豊かな旨味を存分に堪能できます。また、ルーイをパンに塗ってディップするのも、ブイヤベースならではの楽しみ方です。
ブイヤベースの食材 | 味わい |
---|---|
サヨリ | 繊細で上品な味わい |
カジキ | しっかりとした歯ごたえと濃厚な旨味 |
ムール貝 | 甘みがあり、スープとの相性抜群 |
トマト | 酸味がアクセントになり、全体の味を引き締める |
ニンニク | ルーイの風味を豊かにする |
ブイヤベースは、フランス南部の風土や歴史を感じることができる、まさにマルセイユのソウルフードと言えるでしょう。
ブイヤベースを求めてマルセイユへ
マルセイユには、ブイヤベースを提供するレストランが数多く存在します。港沿いにある老舗レストランから、おしゃれなカフェまで、さまざまな雰囲気のお店で楽しむことができます。
ブイヤベースは、マルセイユの食文化を象徴する、忘れられない美味しさです。ぜひ一度、その魅力を体験してみてください。
まとめ
ブイヤベースは、新鮮な魚介の旨味が凝縮された、マルセイユを代表する料理です。伝統的な作り方には時間と手間がかかりますが、その濃厚な味わいは、まさに感動ものです。マルセイユを訪れる際には、ぜひブイヤベースを堪能してみてください。